• TOP
  • コラム
  • 【Skholeの哲学広場】第0回―哲学対話って?―

【Skholeの哲学広場】第0回―哲学対話って?―

古代ギリシャ語で「余暇・暇」を意味する「Skhole(スコレー)」。この「Skholeの哲学広場」は、古代ギリシャ人が、Skhole(余暇)に哲学的な議論をおこなっていたということから発想した企画です。デザイン・クリエイティブのヒントとなる(かもしれない)、「哲学対話」の様子をお届けしていきます!

Skholeの哲学対話を監修してくださるのは、東京大学大学院総合文化研究科教授の梶谷真司先生です。第0回では、梶谷先生への取材をもとに、そもそも「哲学対話」とは何か?また、哲学対話をして得られる学びについて紹介します。

哲学対話とは?-特別なルールのもとにおこなう自由な対話の場

「哲学対話」とは、複数名が集まり、「問い」を立て、その問いについて発言したり、他者の発言を聞いたりしながら思考の幅を広げていく活動のことを指します。Skholeでは、これまで哲学対話を広く世に紹介されてきた梶谷真司先生のメソッドを参考に、毎回異なるメンバーで哲学対話をおこなっていきます。

問いについて発言したり、それを聞いたりする哲学対話ですが、単なる対話と異なるのは、特別なルールが設定されている点です。これは、参加者が問いに対して「自由に」考えることができるようサポートし、対話をより哲学的な探求に変えるためのもの。私たちは普段、多くの社会的な制約のもと、無意識のうちに「自由に考えて、自由に発言すること」を抑え込んでしまっています。

●哲学対話の基本ルール
・何を言ってもいい
・人の言うことに対して否定的な態度をとらない
・発言せず、ただ聞いているだけでもいい
・お互いに問いかけるようにする
・知識ではなく、自分の経験に即して話す
・話がまとまらなくてもいい
・意見が変わってもいい
・分からなくなってもいい

(出典:梶谷真司『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』幻冬舎)

なぜ哲学対話をするのか?

自由に考え、問い、語ることができる哲学対話を通して、参加者はさまざまな気付きや学びを得ることができます。では、対話の様子を紹介するこの「Skholeの哲学広場」は、どのような学びにつながるでしょうか?梶谷先生にその可能性をうかがいました。

「ものごとについて『疑問に思うこと』が大事であるという気付きや、これまで思っていたけれど言葉にできていなかったこと、『こんな風に考えてもいいのか』といった戸惑いや抑え込みによって、考えないようにしていたことも、考えたり発言したりしていいんだ、という気付きが得られるかもしれません。哲学対話では、それまで言語化されなかったことが言語化されます。それをお互いに聞いたり、読んだりすることで得られるものがあると思います」

また、哲学対話では人の発言に無理に反応する必要がなく、ただ聞いているだけでもよいため、人の話を「ちゃんと」聞けるようになるとのこと。そうして、みんなが人の発言を聞いてしっかり受け止めてくれる場では、人は人に合わせることなく本心で話すことができ、どんな人でもしっかりとした意見を話すことができるようになるというのです。すると、学歴や職業、世代といった枠組みは取り払われ、そこに優劣はなくなり、いわゆる「問題がある人」「ダメな人」など世の中にはいないということが分かってくるのだと、梶谷先生は言います。

デザインと哲学対話

デザインやクリエイティブの仕事には、問いを立てる力や、さまざまな人の考えを聞き、多様な視点から物事を考える力がますます求められています。哲学対話の取り組みは、まさにこうした力をはぐくむのに役立つのではないでしょうか?

第1回目の哲学対話の様子は、2026年2月の更新を予定しています。ここで語られる言葉が、読者のみなさんの気付きや学びにつながり、さらに対話が広がっていくことを願っています。