
「学びと、本棚」は、デザイナーや映画監督、アーティスト、漫画家など創作の最前線で活躍するみなさんに、自身の人生のなかで“学び”につながった1冊を紹介してもらうコーナーです。お守りのように大切にしたいもの、教訓にしたいものなど、その人それぞれのエピソードをうかがいます。
今回ご登場いただくのは、イラストレーター・漫画家の坂月さかなさんです。デザインやアート関連の書籍を多く出版するパイ インターナショナルから、初のコミックとして出版された『星旅少年』。絶賛連載中の坂月さんの1冊とは?
『「面白い!」を見つける 物事の見え方が変わる発想法』(林雄司/ちくまプリマー新書)
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480685421/
人気Webメディア「デイリーポータルZ」編集長の林雄司さんが、日常を面白がるための視点や方法を教えてくれる本です。多種多様な娯楽が世の中に溢れているのに、忙しくてどの娯楽にも手をつけられない…そんな人も、この本を読めば自分だけの「面白い!」を見つけることができるようになるかもしれません。

本書には、日常の中に「面白い!」を見つけるための方法が驚くほど具体的に載っています。「外国人になりきる」「本屋で自分に関係ない本の棚を見る」などなど。特によかったのが、「正解を求めなくていい、妄想を楽しもう」という姿勢です。
宇宙人が本当にいるかどうかより、宇宙人が来たらどうなるかを妄想してみる、といったように。身の回りだけでなく、自分の想像の中にも面白いものがあり、それを楽しむ自由が書かれているのがよかったです。
「学び」というと、自分を成長させるとか、知識を吸収するとか、堅苦しいイメージがあるかもしれません。しかしこの本で学べるのは、どんな時でも毎日をご機嫌で過ごすコツです。ぜひ気軽に読んでみてほしいです!
『星旅少年』というSFファンタジー漫画を描いています。ある宇宙、人々は「覚めない眠り」につき始め、ほとんどの住人が眠ってしまった星を「まどろみの星」と呼んだ。星旅人である主人公、登録ナンバー303は、そんな「まどろみの星」を訪ね、残された文化を記憶・保存していく。喪失という夜と、愛という星について描いている漫画です。星々のユニークな文化やガジェット、美味しいごはんもたくさん登場します。青い表紙が特徴です。

『このマンガがすごい!2023』(宝島社)「オンナ編」第5位にランクイン、また2025年の日本漫画家協会賞では萬画部門で大賞を受賞。2026年1月には最新6巻が発売になりました。現在もPIE COMICSで連載中です。ぜひ静かな夜に読んでいただきたいです。
短歌の作り方や技法について学びたく、入門書を読んでいます。日々身の回りのことを観察していると、新しい感情が湧いてくることがあります。それを短歌にできたら楽しいのではと思い、挑戦したいと思っています。

イラストレーター・漫画家。「ある宇宙の旅の記憶」をテーマに、孤独で静謐な世界を優しい筆致で描く。『令和元年のゲーム・キッズ』(星海社)装画、『水の聖歌隊』(書肆侃侃房)装画、『少女終末旅行 公式アンソロジーコミック 2』(KADOKAWA)寄稿。
2021年、初の商業作品集『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』をパイ インターナショナルより刊行し、ボローニャ・ラガッツィ賞コミックス・ヤングアダルト部門2023年最優秀賞を受賞。現在PIE COMICSにて「星旅少年」を連載中。