本作品は、「便利になりすぎることは、人間にとって本当に良いことなのだろうか?」という個人的な疑問を出発点として制作した、テクノロジーが極度に発達した未来の生活をシュールに描くアニメーションです。
移動、食事、労働といった日常のあらゆる行動が徹底的に効率化された社会において、人間がその圧倒的なスピードに飲み込まれ、流されていく様子を描き出しました。私は、社会が便利になっていくプロセスを「物事の過程が失われ、ただ高速化していくこと」と定義づけました。そのテーマを視覚化するため、作品全体を「過去・近未来・未来」の3つの構成に分け、時代が進むにつれてカットの切り替え速度を段階的に速めることで、それぞれの時代における時間の流れの違いを表現しています。
さらに作画の面では、未来的な機械の単調な動きや誇張した描写を際立たせることで、視覚的な面白さを追求しました。一方で、人や物の動きにはスローインとスローアウトを効果的に取り入れ、自然な緩急をつけることで、人間らしさと機械的なスピード感のコントラストを描いています。
究極の利便性の裏に潜む違和感や不安を、私なりの視点で再構築した作品です。