玩具で遊ぶことは、子どもの心身の発達や人間形成において非常に重要な役割を果たします。なかでも、実際に手で触ってみたり、モノを動かしたりして遊ぶ体験は、想像力や感性を豊かに育むと考えられます。そこで私は、「手を使って遊ぶ」ことに強くこだわったドールハウスの試作を始めました。その工程で、子どもにむけた安全性や使いやすさ、わかりやすさといった親しみのわくデザイン性と、自分自身が思い描いている楽しい遊びの世界が同居するよう作業を進めました。これまで数年に渡って生み出してきた数多くのオリジナルキャラクターをもとに世界観を構築した本作品《ドーナツハウス》では、家具や内装、小物の細部に至るまで、楽しさいっぱいの遊びが広がる工夫を取り入れています。その遊びは手で使って想像し、遊びから自由な世界を創り出すことができる学びとなることを大切にしました。全てのパーツを3Dプリンタで制作した《ドーナツハウス》は、子どもにとっては感性や創造力を育む玩具として、大人にとっては世界観そのものを楽しめる存在となることを期待しています。