「ちがいを活かさなくてもいい」「何者かにならなくてもいい」という、日常に根ざした自己肯定の形を絵本で表現したいと考え、絵本『なんかちがう』を卒業研究として制作しました。
本作は、白鳥の母のもとで育ったグラッタが、自分のことを「なんかちがう」と感じながら日々を過ごすところからはじまります。しかしある日、理想的な白鳥として周囲から称えられているミス・アダージョと出会い、そして彼が理想の白鳥を演じることの苦しさを抱えていること知ります。その出会いをきっかけに、グラッタは他者の苦しさに気づき、自分がしたい行動を選ぶようになり、周囲との関係が少しずつ変わっていく、そのような物語です。
これまでの絵本では、「まわりとちがう自分」がどのように肯定されるのかが重要なテーマとして描かれてきました。たとえば『みにくいアヒルの子』では自分が優れた種であったと判明することで、『スイミー』ではちがいを役割として活かし集団に貢献することで肯定されます。しかし、すべての子どもが自分のちがいを才能や役割として発揮できるわけではありません。絵本『なんかちがう』は、そのような方々へ贈る、ありのままを肯定する物語です。
作者受賞歴
2024年:『わたしはここがきにいっています』ビルボ絵本大賞 大賞受賞
Webサイト:https://piku.page/@amano_icecream