環境問題が公共的な課題として共有される現代において、建築は機能を超え、都市の価値や未来像を表現する役割を担う。本計画は、香港に隣接する深圳・粤港澳大湾区に位置し、都市構造が大きく転換しつつある敷地を対象とする。
計画地は現在、老朽化した城中村エリアである一方、深圳市政府の将来計画では国際的な高級観光および公共文化の拠点として位置づけられている。現状と将来像との間に存在する空間的・価値的ギャップを背景に、本計画は公共性と象徴性を備えたミュージアムを導入し、都市転換を媒介する建築を目指す。
計画は環境ミュージアム建築群として構成される。主館は環境をテーマとした中核的な展示を担い、副館は分散配置によって複数の空間ノードを形成する。ミュージアムを閉鎖的な展示施設ではなく、敷地に開かれた公共構造として捉えることで、来訪者は回遊を通じて自然と都市の関係を体験する。
空間構成では、単一のモニュメント的形態を避け、体量の分節と組み合わせにより敷地スケールや都市界面に応答する。公共動線と開放的な境界を建築群全体に通すことで、象徴性と将来への開放性を併せ持つ環境を創出する。