海と共生する音楽アリーナの新たな姿

栁沼幸多/芸術学部 デザイン学科
海と共生する音楽アリーナの新たな姿
海と共生する音楽アリーナの新たな姿
海と共生する音楽アリーナの新たな姿
海と共生する音楽アリーナの新たな姿
海と共生する音楽アリーナの新たな姿

建築は敷地境界によって規定され、その内側で完結する存在として成立してきた。塀や道路によって区切られた敷地の終端は、建築に明確な「終わり」を与え、街や人々の日常との関係を断絶させている。この問題は劇場やホールなどの文化施設にも顕著であり、多くの施設は公演時のみ機能し、それ以外の時間帯には人の気配を失った「空洞」として都市に存在している。本来、都市と人を媒介するはずの文化施設が日常から切り離されている現状は大きな課題である。本計画では、この空洞化した文化施設に潜在する可能性に着目し、日常と非日常を往還する新しい文化インフラを提案する。敷地には東京湾中央部の海上を選定し、分散・集合が可能な可変型フローティング・アリーナを計画する。日常時には交流や創作の場として、イベント時には一体化したアリーナとして機能する。さらに、海上を渡るデッキは移動と演出を重ね、音楽と身体の体験を都市へと拡張する。設計プロセスには自動記述的手法を取り入れ、境界に縛られない建築の在り方を探求し、文化と人の関係を再構築することを目指す。

作者受賞歴
第24回 住宅課題賞2024 受賞