フォントは用途、伝えたい印象、ターゲット層などの目的に合わせて選択されるデザイン要素だが、私自身が過去のグラフィック作品制作において「ゆるさ」を表現しようとした際に適当なフォントを見つけることができなかったため、本研修ではそれを自ら制作することを目的とした。
まず、ゆるさを感じるロゴやタイポグラフィなどを書籍やインターネットで探し、その特徴を調査した。さらに、既存のフォントからゆるさを感じられる要素を抽出し、それをより強く表現するにはどのような要素を加えるとよいかを探った。
調査から、ゆるさを感じさせる要素には「角ばっている部分がないか少なく、丸みを持つ/ゆるやかな曲線/まんまるや大きな丸みよりもややひらべったい楕円が用いられている/先端に丸みを持つ」のような「ゆるやかな丸み」にあるとわかった。
これに既存のフォントにある爽やかさや元気さを保持した上でのゆるさとは逆の雑然、のんびり、脱力といった雰囲気を加えた。これらをもとに、本制作におけるゆるさは「気が抜けるようなゆるやかさ」と定義し、和文書体合計275文字を制作した。