現代社会はエンターテインメントが飽和しており、映像作品は次々と消費され、製作者の意図や工程が見過ごされやすくなっている。だからこそ私は、あえて「作ることの楽しさ」や「迷いのある過程」に光を当てるような映像を作りたいと考えた。
基本プロットは「映像作品を作る工程」を見せる、いわゆる「メイキング動画」とした。制作過程をメタ的に捉え、面白おかしく見せることで、単なるメイキングとは異なる映像体験を目指した。現実世界からの干渉が創作の世界に影響を与え、逆に創作の世界から現実へと干渉が起こるような表現も取り入れた。物語同士が互いに作用し合うことで、「手を動かして作品を作ることが現実をも変えるワクワク感」を伝えることができると考えた。
この過程を見せるにあたり、イラスト、実写、モーショングラフィックス、手書きアニメーション、3DCGなどの多様な手法を用いた。特定の技法に縛られないことで、映像表現の幅の広さを示すことも狙いの一つである。