昨今のデジタル化の波は多くの人々の想像力と思考力を奪っており、様々な社会問題の背景にはそれが原因としてあるのではないか。そのような現状を子供の遊びから変えていこうと考え、「思考力と想像力を養うブロックトイ」の制作に取り組んだ。上記のコンセプトを実現するために以下のデザイン条件を設定した。
1)ユーザーそれぞれが独自に各ピースの使い方を工夫できる
2)ピースの種類は少なく、しかし完成形のバリエーションは多く
3)破損しにくい安全に配慮したパーツの素材と形状
4)対象者の性別を限定しない(「カワイイ」も「カッコイイ」も表現できる)
パーツの全体構成は、まず大まかに基本パーツ9種類とその外側を覆う装飾パーツ14種類に分けられる。基本パーツは関節の役割を果たすコアパーツとそれを繋ぐチューブパーツからなり、その関節機能により実現される自由な可動が、想像や思考を掻き立てると考える。また、装飾パーツは複数の見立てができるように心がけデザインした。全てのパーツは射出成形による生産を前提に成形時の抜きテーパーなども考慮して制作したため、工業製品としても美しい物になった。