日本人の感謝体験は、肯定的感情だけでなく「すみません」といった負債感を含む多層的構造を持つとされる。そこで本研究は、感謝に含まれる「満足感」と「申し訳なさ」を触覚体験として評価できるデザイン要素を明らかにするため、評価ツールを制作した。ウレタン素材の反発力を5段階に設定し、手で押して満足感を評価するツールと、足裏で踏んで申し訳なさを評価するツールを制作した。実験では、手では反発力が低いほど満足感が高く、足裏では同じ素材がより強い申し訳なさとして評価される傾向がみられた。手と足裏の反応差を踏まえ触覚的差異と身体部位の違いが生む知覚のズレが、感謝表現に関わる重要なデザイン要素として確認できた。