本研究は、アニメ聖地巡礼を観光振興の手法ではなく、物語空間が現実世界へ拡張される体験デザインの実践として捉え直すことを目的とした。『ラブライブ!サンシャイン!!』など複数のアニメ作品を対象に、現地調査と制作側への取材を行い、空間と体験の関係性を分析した。その結果、聖地巡礼は特別な資源によるものではなく、日常的な空間が物語と結びつき再解釈され、訪問者の移動や行為を通じて体験が生成される現象だと明らかになった。また、過度な誘導により解釈の余地を残す空間設計が没入感を高める点も確認された。以上により、聖地巡礼は空間と体験を媒介に文化的価値を生み出すデザイン実践と言える。