近年、都市の公園や駅前広場などの公共空間では、仕切りや突起物、座面の傾斜を施した「排除ベンチ」が増加している。これらは特定の利用者や行為を困難にし、滞留行動の抑制と結びついて導入されてきた。背景には、長時間滞留や占有に対する苦情、治安・景観への懸念があり、管理主体は巡回や注意喚起に代わる手段として形状による対応を選択してきた。一方で、排除的構造は一般利用者にも座りにくさや違和感を生じさせ、公共ベンチ本来の休憩機能を低下させている。そこで本研究では、管理主体の意図を踏まえつつ、排除を前提として可視化されてきたベンチデザインの表現や構造を再考し、新たな排除ベンチのあり方の検討を目的する。