この作品は、「生きていると同時に、土に還る過程にある」人々の姿を表現しています。着想の背景には、仏教の「空(Ku)」という思想があります。「空」とは、すべてのものに固定した実体がなく、あらゆるものが関係し合いながら変化して成り立つ、という考え方です。
現代に生きる私たちは、忙しい日々の中で、他者や自然とのつながりを実感しにくくなっているように感じます。一方で、環境問題や野生動物による被害に直面し、「人間もまた自然の中にある」という事実について考えさせられます。
作者は、作品制作や農作業を通して土や樹木に触れ、自身や身近な人の身体を模した形と組み合わせることで、人と自然の関係性をあらためて見つめ直します。植物でも動物でも人でもないそのかたちは、互いに関わり合いながら生きていること、そして還ってゆくことの姿です。
作者受賞歴
2023年:第71回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 メトロ文化財団賞
2025年:東京藝術大学 河北賞
2026年:第74回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 デザインN賞
ポートフォリオURL:https://yukikoshinkai.com
Instagram:https://www.instagram.com/yukiko_shinkai