この短編アニメーションは、突然の喪失をきっかけに、目覚めと眠りの狭間に漂う少年の内面世界を描いています。病室に横たわる身体とは裏腹に、彼の意識は、記憶と感情が溶け合う不安定な風景をさまよいます。
そこに現れるのは、どこか懐かしい存在。導かれるように進む先で、触れられそうで触れられないもの、留めようとすると消えてしまう瞬間が重なっていきます。それは、痛みから目を背けたい心と、向き合わざるを得ない現実のあいだに揺れる感情そのものです。
本作が描くのは、「忘れること」ではなく「受け入れること」。
喪失を抱えたまま、それでも一歩を踏み出すという選択です。
これは解き明かす物語ではなく、感じるための通路。
変わってしまった世界で、再び目を開くための、小さな旅の記録です。